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imitation puzzle 2日目・1


 新しい一日の始まり
 それは時として、優しくあたたかいモノ
 そして時として、厳しく冷たいモノ
 今日の君達にとっては何だろう?

 新しい一日が始まる
 さて今日は何をしようか?
 楽しいゲームの為に、楽しい謎を提供しよう

 愉しい一日を、どうぞごゆっくり…………


半回転


「早く起きないと朝ご飯食べられなくなるよー」
 ルームメイトの鳴海朝姫の声がして、ようやく目が覚めた。
 枕元に置いてある眼鏡を掛けて時計を見ると、既に八時過ぎ。
 ……え?
「朝食どころじゃない!! 何でもっと早く起こしてくれなかったの!」
「今日なんかあんの?」朝姫は私の心中も知らずのん気にそう尋ねる。
「今日は"朝テスト"の日なの! ただでさえ最下位争いしているって言うのに勉強しないでどうしろと言うの〜!? あーもう駄目。きっと今週はツイてない週なんだ……」
 私は本気で泣きそうになりながら着替え、教科書等を鞄に突っ込み、急いで学校へと向かった。もう、朝食なんて食べてる暇は無い。
 ……全く、ほんとにツイてない……。

「どうしたの、詩織? 今日は遅かったわね」
 私が席に着くなり、咲が前の席から話し掛けてきた。咲は私と同じ人語科なのだ。
「ごめん、今それどころじゃない! 解らない所教えて!!」
「あー、"朝テスト"ね」いつもの事なので咲は快く引き受けてくれる。「何でこんなのがあるのか謎なのよねー」
 それは私も思う。勉強には力を入れてないくせに、テストは好きらしいのだ。二週間に一回はこの"朝テスト"がある。クラスで日が違うし、前日まで言われないのが余計に腹が立つ。先生曰く、「その方が実力が判るから」らしい。一理あるが、腹が立つものは腹が立つから仕方が無い。私にとっては、地獄でしかないのだから。
 まぁ、そんなこんな言いつつも、テストは終わり、その出来に少しほっとしていた。いつもよりは書けている。散々じゃなくて良かった、と心の底から思った。

 けれど気になる事がある。私の記憶が間違いでなければ、昨日三人の生徒が亡くなった筈だ。それに対し学校も生徒も何も感じていないのか、誰も何も言わない。大体昨日の二年生の特別行事ですら、何をしていたのか全く解らない。……謎が多いぞ、この頃。
 今は授業中だが、あまりに身が入らないのでぼーっと窓の外を見る。まぁ、六限目なので眠い事もあるが。ここは三階だから眺めは良い。英語なら一時間くらい聞かなくても何とかなるのだから。唯一の得意教科であると言えよう。……それくらいしか解らない、と言い換える事も出来るかもしれないが。
 とにかく何とはなしに、外を眺めていた。
 授業が始まって三十分くらいした頃、物凄い爆発音が響いた。「何だ!?」と誰もが言うのが聞こえる。私には、何が起きたか解っていた。理数棟――理数科が主に使う校舎の事だ――の二階の教室の一つが突然爆発したのだ。場所から言って、あれはきっと実験室の一つだ。
 ついさっきまで人が動いてるのが見えていた。その人達はどうなったのだろうか?私は窓に近づいて、目を凝らす。良く解らない。体育の授業をしていたらしい生徒が、その辺に集まっているのは見えるが。
 他の生徒も私の行動に釣られて、野次馬よろしく窓からその教室を見ている。それを注意するような人は居なかった。 全員が窓に集まっていたし、先生でさえ、そこに気を取られていたのだから。

 ――だから誰も気付かなかった。それは仕方ないのかもしれないが……。

 いきなり世界が半回転した。そう気が着いた時はもう遅かった。
 私の身体は宙に放り出され、後は重力に従うのみ。

 ……あぁ、なんてツイてないんだろう。
 ――こんな時に私は、妙に冷めた事を考えていた。